
ここ 5 年くらいでしょうか、ブラウザーは Vivaldi 一択だったのですが、最近、Zen Browser を使い始めました。
ブラウズ画面を広く使える Arc に興味を持って、画面の狭いノート PC で試していたのですが、その頃はまだ Windows 版は安定せず、そのうち開発が終了してしまったので、Zen Browser に乗り換え、お試しを続けていたのですが、昨今、常用に耐えうると判断し、本格的に Vivaldi からの移行して、Mac でも使い込むようになりました。
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最初に断っておきますが、Vivaldi が嫌になったわけではありません。実際、移行の最中なので、まだ併用しています。
普通にブラウジングしている分には、レンダリングエンジンも Google Chrome と同じ Blink ですし、インストールするだけでジェスチャーオペレーションなど必要十分な機能が使えます。
なんと言っても、閉じたタブを一つ前だけでなく、履歴もたどれますし、ウィンドウごとにプロファイルを分けるとセッションも別々に管理できます(例えば、プロファイルを分ければ、複数の Google アカウントを 1 台の PC で同時に扱えます)。
ほとんどの人はこれで必要かつ十分だと今でも思っていまし、インストールしてから多かれ少なかれカスタマイズを強いられる Google Chrome を使うくらいなら、Vivaldi にしておけばいいとさえ思っています。
Zen Browser の良いところ
ただ、普通じゃない人 w は一度、Zen Browser を試してみるべきだと思います。
最初は、画面が狭いノート PC で、できるだけブラウジング画面を大きく取るために、この Zen Browser を使い始めたのですが、真価を発揮したのは、広い表示領域を確保できるデスクトップでの全画面表示でした。
デスクトップ画面が広いと、コンパクト画面にせず、画面横にツールバーを出しっぱなしにできますし、その状態でタブを画面を 2 つのブラウズ画面で分割しても、十分に実用的な表示領域を確保できます。
そのタブで画面を分割する際も、ツールバーからタブをドラッグアンドドロップするだけで、直感的に、自在に分割できます
そもそもにして、垂直レイアウトでタブを一覧表示するので、タブをガンガン開いても管理がしやすく、タブバーが小さくなってアイコンだけになって、何が何だかわからん!ってなってしまうこともありません。
とにかく便利な Glance
そして、なによりとにかくタブを把握でききれないほど増やしてしまう人にとって Glance は、救世主的機能。
どんな機能かというと、Windows では Alt キー、Mac では Option キーを押しながらリンクをクリックすると一旦、ポップアップで開く、たったそれだけの機能なんですが、検索します→リンクをタブで開きます→それを読みもせずに、次に気になったリンクをタブを開きますを繰り返して、タブを増産する傾向のある人には、ひとまず Glance で開く→斜め読みして有用と思ったらタブ化、無用だと思ったらその場で消すを繰り返すと、タブの増殖を防ぐ一手になります。
いや、まずリンクをタブで開いたときに斜め読みすりゃいいやんと思われるかもしれませんが、Glance の場合、ポップアップなので、タブの遷移がありません。これが意外と思考が途切れず、検索効率のアップに寄与します。
Amazon.co.jp でブラウズショッピングしているときなども有用で、一つの商品から、次々と気になる関連商品のリンクをGlance を使って辿れば、とにかく無駄にタブを開くこと抑制してくれますし、もともと見ていた商品を見失うことも避けられます。
すべて 1 ウィンドウで完結
そして、Vivaldi ではプロファイルを分けることで、ウィンドウ単位でセッションを管理できますが、Zen Browser では Space とコンテナを駆使することで、これを 1 ウィンドウで管理できます。
なんならコンテナだけでセッション管理できるので、ウインドウや Space を切り替える手間すらなく、これは特に Mac で言えることなんですが、フルスクリーン表示した 1 ウィンドウですべての処理を完結できます。
これで複数のサイトを管理している身としては、作業効率が爆上がりしました。
先ほどの Glance と、広いブラウジング自在に分割、なおかつセッション管理も自在で、思考を停止させるタブやウインドウを着替えが激減、単にサイトを閲覧するためだけのアプリケーションではなく、ブラウザでオペレーションをする人にとっては、ツールとして非常に有用に思えます。
カスタマイズするのがイヤなんです
ただ Glance やコンテナによるセッション管理以外の機能に関しては Vivaldi でも、ゴリゴリとカスタマイズしていけば、ある程度、近い作業環境を構築できるとは思います。
プロファイルでウインドウごとにセッションが分かれている方が、視覚的で直感的にわかりやすいと思われる方もいるでしょう。
…が、そうまでして Vivaldi に固執したくないというか、そもそもあまりカスタマイズってしたくないんです。
カスタマイズを駆使してオンリーワンの環境を造り上げることに、そのアプリケーションを使いこなすこと以上に熱心な方もいらっしゃいますが、複数の PC や Mac も併用している身としては、覚えていられる範囲で、あまりデフォルトの設定を崩さない主義です。
なぜかというと。同じ設定を各端末で再現する、もしくは PC を買い換えたときに施した設定を再現しきるのが非常に難しい、もしくは非常に手間がかかる場合が多いからです。アプリケーションによっては昨今、同期機能を有するものがあったりしますが、Windows 同士ならまだしも、Mac とも設定が同期できないことがほとんどですし、同期させない端末では、結局、手動で設定を再現しなければなりません。
「カスタマイズできる」…それを金言のように振りかざして、デフォルトの設定は使い物にならないなんてアプリケーションをたまに見ますが、デフォルトの設定こそ、開発者が意図した使い方の見本となるべきで、それをおろそかに設計するアプリケーションは、それを感じた瞬間、使わないことにしています。
Zen Browser を常用するに当たっての注意点
長々と書きましたが、これらの機能は Zen Browser の便利さのほんの一部です。
この乱文を読んで使ってみようと思った方への最後に老婆心。
この Zen Browser はまだβ版( 2025 年 7 月現在)です。 Windows でも Mac でも動作は安定していますが、ときどき「?」って動きをするときがあります。
例えば、Windows では表示できるブックマークツールバーが、Mac では表示できなかったり、操作の根幹になるツールバーの動きがバグったりします。
…が、すでにごく稀です。
それより、この Zen Browser は Firefox がベースとなっており、レンダリングエンジンは Gecko であることの方が認識しておいた方がいいかと思います。
Mac でも Chrome をメインに使っている人は少なくはなく、Windows 標準の Edge も Blink エンジンである昨今、Gecko エンジンであることで、問題が引き起こされる可能性は 0 ではありません。
個人的には、自分の管理しているサイトが、Gecko エンジンでも問題が無いことを確認する意味もあって、Zen Browser を常用することにしたのですが、一般の方には、ここがネックならないことを否定できません。
…が、それもごく稀で、一度、使ってみると Zen Browser がよりよりブラウジング環境を実現してくれる…かもです ^^