歴史が変わる瞬間って、かくも鮮やかで劇的なものか…
デビューした時から、CBC 賞で重賞初騎乗で初制覇したときは特に思いましたが、もってる娘だなとは思っていました。と同時に、肝が据わってるという印象も持っていた今村 聖奈 騎手。
ビッグクラブの所属馬でもない個人馬主所有のジュウリョクピエロという有力馬が、所属厩舎に入厩し主戦を任せてもらえる…それはもちろん今村 騎手の実力あってのことでしょうが、それでも持っているものがなければ、この巡り合いはなかったでしょう。
そして、それは今回、 GI 、しかも優駿牝馬という舞台で、枠順を見たときも思いました。
とにかくそんなお行儀のいい馬ではないですし、末脚が魅力のジュウリョクピエロですから、外枠がよかったはずです。その上、鞍上にコース経験が少なくても、同脚質で D. レーン騎手騎乗の有力馬 ラフターラインズという恰好の目標になる馬もがすぐ外にいると言う絶好枠。実際、道中、ラフターラインズを見ながらレースを進めているように見えました。
ただもっているだけで勝てるほど、そんなに競馬は甘くない。後ろをついて行って、ラフターラインズ目がけてという目算はあったと思います。しかし、最終コーナー、外からアンジュドジョアにふたをされて、外に進路を取れなくなって、一瞬、迷うような挙動を見せたのですが…ここからが今村 騎手の肝の据わっているところ。
明らかにごった返している内に進路を取って、加速に手間取る武 豊 騎手騎乗のアランカールを尻目に、前半でスタミナを消耗して伸びあぐねる 1 番人気 スターアニスをの横を抜け、スローペースを読んで津村 騎手が仕掛けたリアライズルミナスに追いすがる C. ルメール騎手騎乗のドリームコアとの間に突っ込んでいくのですから…いや、クラシック初騎乗の騎手に、あの進路選択は普通、なかなかできるこっちゃありません。
パドックであんだけ汗をかいて、ちゃかちゃかしていた馬が、今村 騎手が乗った後はそれ以上、テンションを上げてるようには見えませんでしたが、道中は折り合いにも苦労したと思います。それでも最後の直線、鞍上が行け!と言ったところに瞬時に反応して、上がり最速の脚を使うのですから、「あんた凄いよ」と鞍上もレース後、ジュウリョクピエロに声をかけていましたが、いや、あんたも十分凄いよ…
凱旋門賞に登録したことも話題になったジュウリョクピエロですが、行くなら鞍上は今村 騎手であって欲しい。この娘ならひょっとして、今まで開けることのできなかった扉を開けてしまうかも…また劇的に、鮮やかに…
で、あんだけ汗かいてたので、最後まで信用できず、可能性はあると思いながら軸にもってこれず、獲って損にはなりましたが、負けた悔しさより、人馬一体の素晴らしいレースを見せてもらった感動が上回りました。
オークスは素晴らしいレースでした。今週のダービーもこれ以上とは言いませんが、匹敵するいいレースを見せて欲しい!
今年のダービーは、皐月賞の 1 着 ロブチェンと、2 着 リアライズシリウスの一騎打ち…いやここに割って入るなら、共同新聞杯で割って入ったベレシート…と思っていたら、そのベレシートが直前で回避。
【ダービー】有力馬ベレシートが回避、右前膝裏に腫れで大一番7日前に無念の決断… – 3歳馬特集 | 競馬 : 日刊スポーツとなると、ロブチェンとリアライズシリウスの一騎打ちは濃厚です。
自らペースを作って、なおかつ上がりは 3F 34.2 でまとめるレコード決着。母父 Giant’s Causeway に、父 ワールドプレミア、あと 2F くらい延長したところで止まるイメージはありません。
血統的にはポエティックフレア産駒で、傾向が読みにくいリアライズシリウスの方が心配ですが、今回は得意の、そして共同通信杯でロブチェンを完封した左回りの東京。
この二頭に迫れる馬はいるのか?ダービーですからね。前半はダービー良ければ全て良し!いつも以上に気合を入れて考えます。
