私見:スマートフォンの次の進化はよりスマートになること

投稿者: | 2018年12月20日

CPU 、メモリなどプリミティブなコンピューティングリソースはもちろんのこと、高精細なディスプレイ、高密度なバッテリー、カメラに代表されるセンサー類など、スマートフォンというデバイスに詰め込まれているリソースは肥大化の一方を辿っています。

数によるコストダウンも起こるのでしょうが、それより端末に詰め込まれているリソースの肥大化によるコスト高の方が目立つようになってきました。

何より、これだけのリソースを全て使いこなせている人は、何人ほどいるのでしょう?正直、自身は使いこなせていない自信があります (^^;A

使いもしない高度な機能を詰め込み、それを価格高騰の理由にし、誰も利用しないような機能を詰め込んだ高価格製品を売りつける…何年か前にこういう事がありました。ネットブックが登場し、人気を博し、その後登場したスマートフォンに主役の座を奪われた PC がまさにそれです。

そして、時代は繰り返す。

肥大化しすぎたスマートフォンをよりスマートに、そう言う発想をするデバイスが実際、発売され注目を浴びています。それが「 Palm 」です。

発想はすごくいいです。必要な機能だけを実現するためのリソースをコンパクトに集めて、メインのスマートフォンと同じ電話番号で使える。全部一つの道具ですますのではなく、TPO に応じて道具(コンピュータリソース)を使い分ける、すごく人間的に自然な発想です。

個人的には、電話と LINE くらい受けられて、おサイフケータイが使える Palm ならほしいです。

ただ、この Palm 、通信会社のサービスと結びついてるところが問題です。

通信する機器にはすべてに個別の SIM を…これは通信会社が考える性癖のようなもので、個人一人に対して回線など通常一つでいいのです。その一つの回線をいかに効率よく使うか、それでも間に合わなければ、初めて二回線目を考えればいいだけで、機器ごとに回線を契約して、基本料金やオプション料金を払う必然性などないのです。

だからドコモが発売したワンナンバーフォンなど論外です。電話帳の共有もろくにできない高い受話器にオプション料金まで払ってやってやる必要は全くありません。Bluetooth ヘッドセットで十分です。

いや、スマートウォッチがあるじゃないかと言う声も聞こえてきそうですが、コンピュータデバイスを身につけたがるというのも IT 業界の性癖で、人間が身につけること優先するがために、必要以上に小さくする必要があるなど障壁が多すぎて、コンピュータデバイスとして成立していません。

ならば、各個人の用途にあわせて、いくつかのサイズやリソースを持ったコンピュータデバイスを複数所有して、それらがきっちり必要な情報、たとえば電話帳や連絡先、スケジュールなどをしっかり共有してくれればいいのです。電話会社のサービスに頼らずとも、Wi-Fi や Blutooth など手段はいくらでもあります。

すでに死語となっておりますが「グリッドコンピューティング」のように、複数のデバイス間で、回線の共有はもちろん、タスクの分担を行って、複数持てばトータルとしてできること、パワーリソースが増えるという考え方もおもしろいかもしれません。

何でもかんでも一つでできるスマートフォンを必要とする人もいるでしょう。それは否定しませんが、ほとんどの人はもっとスマートなデバイスを必要としているように思いますし、それが一つのデバイスである必要もないのです。

もうそろそろ、手のひらに乗る 2 年やそこらで使い捨てるデバイスに10 万円以上もコストを払うなどと言う悪夢からお目覚めしなければ、ルールが変わる気がしますよ。気をつけて。

「Palm」が大型スマホのコンパニオン端末として復活
ドコモ、”スマホの子機”「ワンナンバーフォン」10月26日発売 1つの電話番号を2台で共有

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です