この時期、PC 関連のニュースサイトでは、 去年一年の総括記事や動向を振り返る記事などが、目につきます。
 その中でも個人的に気になったことはというと、 去年 10 月、全世界に先駆けて、なおかつ DSP 版では世界で唯一、日本でだけ発売された Windows XP Media Center Edition 2005 日本語版 が売れていないというお話。
 確かに量販店などで冬モデルの新機種を眺めても、 TV 視聴・録画機能付きの PC でも搭載されているのは、通常の Windows XP だったりします。米国ではコンシューマー向け PC の売れ筋機種の大半は、 MCE 2005 プレインストール機という現実とは正反対の状況。 折しもその米国では 2005 Intenational CES が開催され、 その基調講演では Microsoft のビル・ゲイツ会長 の口からも今後も MCE2005 に Microsoft は注力し、 新しいサービスを展開していく姿勢を見せたそうです。
 一方、日本では今後も、MCE2005 が提供するような いわゆる「メディアセンター」的な機能は、各メーカーの独自インプリメントで 進んでいくのでしょう。去年 MCE2005 を購入し 一台 PC を仕立てた日本在住の人間として、この日本の現状にはがっくりしています。

 個人的な感想を言えば、MCE2005 は非常に良くできています。 PC に取り囲まれた限られたスペースで、パーソナルな AV 環境を構築するには 良いソリューションだろうと思います。 オーディオコンポや HDD レコーダなどと各機能だけ比較すると、 品質、操作性の面で劣るところも多々ありますが、それらが一台で実現でき、 そこそこな品質であることには十分に満足しています。
 もう少し日本でも MCE2005 が流行っても良さそうな気がしますが、 おそらく今年になっていきなり状況が変わることはないでしょう。 市場シェアをある程度以上握っているメーカーが独自に開発した 「メディアセンター的」ソフトウェア群を、いきなり MCE2005 に切り替えてくることは まずあり得ないでしょうし、加えてどうも去年あたりから メーカーのコンシューマ向けマーケティングがどうもおかしな方向に 向かっている気がするからです。

 日本におけるコンシューマ向け PC マーケティングに対する疑問は、 また別途ぼやくとして、MCE2005 に限ったことではないのですが、 個人的に気に入った商品がその魅力を発揮する機会も与えられず、 廃れていくのは非常に残念で仕方ありません。