「 速報:ソフトバンク、米携帯キャリア Sprint 買収を正式発表。総額約 1 兆 5709 億円」Engadget Japanese より)

 こないだ イー・アクセス を買収したと思ったら、 次はなんと 米 Sprint Nextel をお買い上げです。 その総額、なんと 1 兆 5709 億円( 201 億米ドル)です。

 IT 系のニュースサイトは「なんぼで買収する」って話ばかりで、その資金はどこから調達されるのか、 そもそもにしてまだボーダフォン日本法人を買ったときの借金も完済していないはず…とか ちょっと気になって調べてみたら、イー・アクセス の買収分も含めて 有利子負債が 3.9 兆円になるそうです。気の遠くなる数字です。
 まだ日本ではプラチナバンドへの、そしてこれからは日米で LTE への投資、ネットワークの強化など 莫大なキャッシュが必要になってくるはずです。

 この状況下で ソフトバンク は 7,000 億円ものキャッシュを手放し、 日本の大手銀行は 8,000 億円もの資金(のおそらく大部分)をよく追加貸し出ししたものです。 あるところにはあるんですねぇ…とか、いや出すとこには出すんですねぇ。。。 とかいろいろ考えてしまいます。 (-_-;

 正直、 日本という世界的にはガラパゴス的と言われるいびつな成熟市場の経験が アメリカでどこまで通用するか?は疑問ですし、 通信関連の法令も日米では大きく差異があります。 単純にくっついたからすべてにおいてシナジーがいきなり現れるなんて話はおそらくないでしょう。

 この買収によって、もっともすぐに得られる可能性のあるメリットは もちろんスケールメリットでしょう。
 ただこれもネットワーク設備に関してはまだしも、 端末は iPhone 以外にスケールメリットって得られるんですかね?

 また、この一件で ソフトバンク の株価も大きく値下がりし、 これに対してはボーダーフォン日本法人を買収したときに比べれば大したことないとのコメントもありますが、 格付け会社からも格付けを見直すとされ、 要は市場はこのタイミングで借金を増やすことに対して「 No 」と言ってる訳です。

 チャレンジなのでしょう。それもそんなに分のいい勝負ではない。 とはいっても、一般人からするとお手並み拝見以外できることはないのですが… (^^;

 ただボーダフォン日本法人を買収して ソフトバンク が携帯市場に参入したことでよくも悪くも、 日本の携帯市場は変わりました。 今、日本にスマートフォンの旋風が巻き起こっている一つの引き金は、 個人的には ソフトバンク の携帯市場参入だと思っています。
 また何年かあとに、ソフトバンク はあのとき 流れを変える選択をしたと回想できることを祈っています。 決して「悪貨が良貨を駆逐しただけだった」とはならないよう…

「 ソフトバンクが米 Sprint を 1.5 兆円で買収『世界 3 位の携帯事業者に』」INTERNET Watch より)

Ellinikonblue.com Weblog 「 ソフトバンク+イー・アクセスで業界 2 位の携帯電話会社のできあがり?」