後藤弘茂の Weekly 海外ニュース
「 『 PSP go 』は『 PSP2 』までの中間ステップか」
「 次世代 PSP2 までの長期戦略が見える SCE の『 PSP go 』」
「 UI の拡張がカギとなる PSP go の次の戦略」
(以上、 PC Watch より)

 さすがにしっかりしたソースがあると、予想にも説得力がありますな。

 日本での発売を今年の 11 月 1 日と 予告した PSP go ですが、上記のコラムを読んで、さらに意味合いがわからなくなりました。

 PSP go が対 ニンテンドー DS という位置づけではなく、 対 iPhone/iPod touch という意味合いが強いというのは、 ほぼ上記のコラムと一致します。
 それにしても、iPhone/iPod touch を追撃するには、 あまりにも「丸腰」が否めません。確かに、デバイスとして「タッチパネルがないから iPhone が上」とは思いませんし、通信機能にしても今は 3G 携帯通信網が強いかもしれませんが、 WiMAX の動向次第では、ただ高価なだけの通信機能に近い将来なる可能性もあります。  しかしです。
 すでに音楽に代表されるエンターテイメントメディア配信では、 Apple に後塵を拝していて、 これをひっくり返すことは容易なことではないと言うことは、 すでに ウォークマン でいやと言うほど知ったはずです。
 まぁこの分野に関しては ソニー という一企業の問題ではなく、 日本という島国全体でおいて行かれている問題ですから、それはひとまず置くとしても、 それ以外、特にアプリケーションプラットフォームとして、 これまで全く一般にはオープンではなかった PSP プラットフォームを、 まずは先にオープンにすべきではなかったかと思うのです。

 今の iPhone のアプリケーションプラットフォームとしての弱点は唯一 MacOS X 上でしか 開発できないことだと思っています。
 所詮 iPhone が MacOS X のサブセットをベースにしているとは言っても、 CPU が違うのですからクロスコンパイル環境であるわけで、 Windows 上に開発環境を展開しないのは、 Apple の愚であるのかプライドであるのか…
 逆に突くならここだと思うのです。
 圧倒多数がすでにある環境を活用して、開発コミュニティーに参加できるようにする。 そうして数の原理という加速力を得るのが先決ではないでしょうか?

 iPhone に対抗するアプリケーションプラットフォームとして、 PSP を再構築する。 そしてそれを PSP2 につなげていく。それは理解できます。
 UMD という特殊な光学デバイスを内蔵すれば、これ以上の単純な小型化も インパクトのあるレベルまでは進められないでしょう。 しかし、これまでの UMD 資産を保持するユーザに不安を抱かせてまで、 PSP go というデバイスの発売を急ぐ理由は理解できません。
 今の PSP だけで コンテンツ販売をネットワークダウンロードモデルにシフトしていくことはできないのでしょうか? ソニー という企業は、 あまりにも物質的な物作りにとらわれすぎているのではないかと思わずにはいられません。

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