いろんな意味で多少期待していたんですが、 案の定期待はずれでした。

 正直、ハードウェアは期待以上のものでした。
 ソニーReader は非常に質感は高く E Ink 電子ペーパーの見やすさもすばらしく、使い込んでみないとわからない部分ですが、 ちょっと店頭でさわる分には操作性も悪くは感じませんでした。
 WiFi モデルを用意しなかったことをたたかれているようでが、 この手のファーストプロダクトに飛びつくタイプの人は IT リテラシーが高い人が ほとんどなので致命的な問題とも思いません。 また盛り上がってくれば WiFi 搭載モデルもすぐに出てくるでしょう。
 シャープGALAPAGOS も さすがの液晶品質で、見た目よりも軽く、カラーが活きる雑誌を多くそろえたところはよく考えています。  しかしです。
 やはりどんなにハードの作り込みはうまくても、コンテンツがこれではどうしようもありません。 念のためにいっておきますが、数の問題ではありません。
 こういう新しい電子デバイスに飛びつくのは、ごくふつうの一般人ではないと言うことです。
 そもそもにして、今のスマートフォンブームにしても一般の人から口コミで広がったわけではありません。 IT 関係に少なからず造詣のある人から広まったはずです。
 それなのにまぁ IT 系の専門書籍の品ぞろえのしょぼいことしょぼいこと。 人気小説やビジネス書籍を充実させることも大事でしょうけど、そんなんあとでいいでしょ。 なんせその手の書籍は紙でも大方、電子デバイスより軽いんですから。

 もし電子書籍のマーケティングに関わらせてもらえるのなら、 まずコンテンツラインナップの基準は、電子書籍端末より重いこと。まずそこです。

 そしてなにより力を入れるのは IT/PC 系の専門書籍です。 O'Reilly Japan あたりをまず最初に口説きに行きます。 そもそも電子書籍を買う人に IT 系の知識がゼロと言う人はまずいないという前提で進めるべきで ソニーReader など、 運用に PC を要求するのに売ってる専門系コンテンツはしょぼいなんて出鼻を思いっきりへし折られた気分になります。
 そもそも GALAPAGOS なぞ 本体を買わなければ売ってるコンテンツも気軽に探せないなど論外です。

 早く猫も杓子も電子書籍に飛びつく流行にしたいと焦る気もわからないではないですが、 いきなり一般人に売ろうとするのは無茶です。
 電子書籍の普及が本気であるべき方向であると考えるのであれば どこから普及が始まってもいいはずです。 流行としての体裁なんかより、まずは数の原理を確立する方が先です。
 圧倒的物量や、そもそもデファクトスタンダードを振り回されると、 このままでは勝てないですよ。黒船には…