真冬に輝く雪明かりが消えようとしている。

 今、僕の目の前にある蒼い海は、 ずっと遠くにあった雪明かりを頼りの一つに歩き続けて たどり着いた場所だから、 あの美しい雪明かりが消えようとしていることが哀しくて仕方がない。

 僕は雪明かりが消えるところを見たくない。
 僕がここから叫んでも、きっとこんな勝手な思いは届かないのだけれど、 たとえ今は消えてしまっても、あの光が照らしてくれた道程を、 僕はずっと憶えていたい。
 またいつか真冬の雪明かりとは思えないほどの 明るい光がこの海を照らしてくれると信じたいから…