シズカナルメガミ (牝)
父 サンデーサイレンス 母父 ヘクタープロテクター
母母父 ウォーニング 曾祖母 グランドキャニオン

 同期で完成度の高かった牝馬と路線が完全にかぶった上、 気性の悪さから勝ちきれないと言うことが続いたが、 レースを重ねて気性の悪さが影を潜め、 クラシックに備え先に放牧に出た同期の牝馬と相対することがなくなると、 黒松賞、紅梅ステークスと楽々と連勝、 初重賞となったフィリーズレビューも圧倒的な力の差を見せつけての勝利。
 再び同期の牝馬との対決となった GI 桜花賞では、 既に力の差は歴然としていた。そして短期放牧に出て急仕上げでオークスを制して、 二冠達成。
 その後の宝塚記念では残念ながら力が及ばず、 秋初戦のローズステークスを仕上がり途上で敗退、 三冠を懸けた秋華賞では外枠に泣かされ、 無念の敗退と展開に左右される融通の利かない気性と脚質に悩まされるが、 続くエリザベス女王杯を制覇。変則ではあるが牝馬三冠達成、顕彰馬入りを確定した。
 血統背景から多少ダートでも期待したが、芝ほどの切れはなく、 二歳時はその圧倒的スピードで押し切っていた短距離戦でも枠順に恵まれず、 その上、体調の変化が激しいタイプで、余裕を見て入厩するとあっという間に ピークに達して急降下、逆にスケジュールを詰めるとまったく体調が上がってこずに出走、 敗退を繰り返した。
 四歳秋、出遅れでスプリンターズステークスを惨敗し、秋二戦目となったのは天皇賞(秋)。 スペシャルウィーク等有力馬も揃ったおかげで人気を落としたこのレースで、 この馬はベストパフォーマンスを発揮する。 出遅れたスプリンターズステークスを払拭する抜群のスタートを決め、 「追い込み」指示にもかかわらず好位でぴたりと折り合い、直線抜けだしを決め、 後続に影すら踏ませぬ圧勝劇を演じてみせた。
 この圧勝劇に気をよくして現役を続行したが、結局、五歳秋に展開に恵まれ スプリンターズステークスを制したのが最後。
 気性か体調の変化がもう少しましなら、もっと勝てたかもしれないと思えるほどの 能力の持ち主だった。
ダービースタリオン04
( エンターブレイン )
¥5,680