本田雅一のクロスオーバーデジタル 「 『 Apple Watch 』はこれまでのスマートウォッチと何が違うのか?」ITmedia PC USER より)

 iPhone がでたら買う!っていうモチベーションがあまり高くないもので、 今年の iPhone 祭りの注目は、どちらかというと iPhone 本体より、 長らく噂ばかりでものが出てこなかった iWatch でした。

 これまで iWatch と呼ばれたきた製品は今回、「 Apple Watch 」として、 とうとう発表されました。実際に出荷されるのは 2015 年になってかららしいですが…

 個人的にはウェアラブルコンピュータ否定派なのですが、 もしかしたら Apple なら この持論を打ちのめしてくれるのではないかという期待感はありました。

 しかし、ウェアラブルコンピュータ否定派として、 今回、発表された Apple Watch もライフスタイルを激変させるような製品ではないと 自信を持って言える代物でした。
 上の記事にもあるように単なる Apple が作った 全部入りのスマートウォッチ以上のものではありません。

 Apple Watch の何がだめなのか?

 まずは 電力まわり
 Bluetooth で iPhone と連携する上、IEEE802.11 系の無線 LAN まで内蔵しています。
 サイズ的にも他の製品に比べて異常に大きいこともないようなので、おそらくバッテリーのもちの問題は まず間違いなくつきまといそうで、これは単なる予想ですが丸一日バッテリーが持てばいいところでしょう。

 これはウェアラブルコンピューティング肯定派の人がよく言う「常に身につけていることに意味がある」という 主張への反論によく使うのですが、どんなにその方法を工夫しても、その身から外してしか充電できない時点で 常時着用とはほど遠く、それも数ヶ月に小一時間程度ならまだしも、 一日で数時間ははずしていなければならない時点で、Apple Watch を含めたスマートウォッチは 常時着用を実現できてはいないのです。

 最低限、ちょっとリッチな時計だと割り切っても、 その日充電を忘れると次の日使えない腕時計なんてごめんです。

 次に インターフェイスまわり
 竜頭に模した「デジタルクラウン」はおもしろい発想だと思います。 あんな狭いディスプレイに対してタッチインターフェイスではみたい情報も見られなくなるというのは、 至極最もな話です。

 ただやはり表示できる情報量に関しては他製品と比べても大きく違うわけでもなく、 当然、バンドは変えられても、女性向けにより小型軽量の製品があるわけでもありません。
 Apple をして、 スマートウォッチと人間とのインターフェイスに持ち込めた革新は 「デジタルクラウン」だけだったとも言えるでしょう。

 そしてなにより ユーセージモデル
 iPod が初めて登場したとき、あの小さな箱についたホイールを回して好きな楽曲を選んで いつでも再生できる。。。単純でしたが明快なユーセージモデルを、 これまで Apple は、製品発表のその場で見せてきました。
 それを見て、明日にでもあれが欲しいと思ったものです。

 今回の Apple Watch にはこれがありませんでした。
 年が明けてからしか出荷されないものを今発表すると決めて、 ライフスタイルの変化を夢想させるほどのユーセージモデルの提示はなかったわけです。

 Apple Pay が使えることですか?
 日本で Felica の技術をベースにした電子マネーがこれだけ普及して、 カード型のものを読み取り機に近づける、これがベストのモデルだと、 この普及が証明していると思っています。
 手の甲の側についたガジェットを読み取り機に近づける方が楽だとはとても思えません。 iPhone 側に NFC があれば十分でしょう。
# どうも Apple Watch に NFC が搭載されてはいないようですが。。。

 個人的に iPhone 購入のモチベーションが高いわけではないので、 当然、 Apple Watch への期待感もそう高かったわけではないのですが、 裏切られたかった予想が当たってしまったようで、非常に残念でした。

「 速報: Apple Watch 発表、 349 ドルで 2015 年初頭発売予定。 リューズ状のダイアル Digital Crown と Retina ディスプレイ搭載」Engadget 日本版 より)

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「 ウェアラブルコンピューターに未来なんてない!」
「 NFC のついた iPhone 6 でました。 Plus もでました。」