山田祥平の Re:config.sys 「 Origami が広げる大風呂敷」PC Watch より)
 朝、フル充電した Origami を持って自宅を出た子どもたちは、 学校に着き、国語と算数の授業でそれを使い、休み時間も自習をするような使い方をすると、 今回、初対応機として紹介された PBJ の SmartCaddie の約 2.5 時間というバッテリ駆動時間は スッカラカンだろう。そして放課後、子どもたちは、バッテリ切れで動かなくなった 900g 近い物体を ランドセルに入れて移動、塾などに向かうことになる。
 厳しい意見だと思いますが、ごもっともとも思います。
 そもそも Origami のハードウェアコンポーネントとなる UMPC(Ultra Mobile PC) では 価格面で現行のノート PC を下回るのは大前提ですが、 ディスプレイサイズ以外にもパワー面で劣ることは目に見えてますから、 バッテリ持久力だけはノート PC 以上でなければ魅力はありません。 最低でも丸一日バッテリが持って、かつ 6 時間程度で 80% 以上の充電が 可能でなければお話にならないと思います。 とりあえず当面のハードルは PanasonicLet's note R4 でしょう。

 これよりハードウェア的に魅力がないと、個人的に視界に入ってこないと思います。
 まぁ展開が始まったばかりですから、もう少々長い目で見たいと思いますし、 個人的には高級志向になってしまった Tablet PC よりははるかに期待はしています。

 ともう一つ。
 いわゆる日本で言う TV PC や MCE2005 の登場で 10Feet UI が注目され、実際、国内メーカー各社はいろいろなチャレンジを行っていますが、 この Origami に搭載される 10inch UI というのもまだまだ煮詰める余地はあると思いますし、 10Feet UI とは似て非なるものだと思っています。
 リモコンかペンデバイスかだけの差だ…と思っているとしたら残念です。 またこれまでの携帯電話や PDA(Personal Digital Assistants) の延長だと考えているとしたら、それはそこまでで終わってしまうでしょう。

 ハードウェア/ソフトウェアともども Origami の成功にはまだまだ時間が必要だなぁ。。。 上記のコラムでも問題としているように、小型化、省電力化とくにバッテリ技術などを お家芸としている日本のメーカーが現行の閉塞感を打破するために 「本気」を見せられるのはここだと思うのですが、 そう考えても時間はもっと必要なのでしょう。
# 革新を起こすには 「短時間で劇的な変化を起こさなければならない」というのが持論なんですけどね。

 個人的には Panasonic vs SONY の Origami 対決が見てみたい。。。

「 PBJ 、UMPC 『 SmartCaddie 』の予約受付を開始」PC Watch より)