先般、 購入した デル Inspiron Zino HD への Ubuntu 10.04 LTS のインストール、 ストレージの繋ぎ換え、 KVM の導入、仮想マシンの構築と CentOS 5.5 インストールが ほぼ完了しました。

 Debian 化した 玄箱 Pro が担っていた役割は、 ほぼこの Inspiron Zino HD 一台で賄いきり、 もう一台ある Atom 搭載の X27DDebian を インストールしたサーバーと併せて 機能配置をどう再構成するかという段階になって、 それさえ決定すればひとまず 玄箱 Pro を 一線から引退させることができるというところまでできました。

 この移行を始める前は 2 コアとはいえ AMD Athlon II X2 P340 に 2GB のメモリーなどという 昨今では貧相と言えるリソースで、 果たして KVM を導入して、 個人宅用とはいえサーバーファームを構築できるのかちょっと不安視していましたが、 現状、ホスト OS が Ubuntu 10.04 LTS で、 ゲスト OS としてメモリーを 512MB 与えた仮想環境で CentOS 5.5 を一台動作させていますが、 CPU リソースが振り切ることはなく、二つあるコアのうち一方のコアは遊んでいる状態に見えます。 さほど使用頻度が高くない用途であれば、もう一、二台、仮想マシンを構築しても大丈夫そうです。

 またゲスト OS となっている CentOS の動作も 非常に安定していて、未だ原因不明でシャットダウンしたり、フリーズしたりということは皆無です。
 しかも、明らかに Debian を 動かしている 玄箱 Pro より動作はきびきびしていますし、 X Window 環境を含めてフルスペックの x86 バイナリが動作しています。
 ただ気になる点がないかというとそうでもなく、速度的に大容量のローカルファイルを読み書きすると、 ネイティブで動作している OS にはやはりかなわないようです。 感覚的には CoLinux で 動かしている Linux 環境のような体感ですが、 実測したわけではありませんが、それでも 玄箱 Pro よりは早く感じます。
 加えて環境的に頻繁に読み書きを行うホームディレクトリーや、 samba を 通して共有している領域などはホスト OS 側にマウントしたストレージに NFS を通して 読み書きをさせているので、この弱点を隠蔽できているのかほとんど気にもなりません。

 結論として KVM は 貧弱なマシンリソースでも十分に使えるというのが今現状の評価です。 先般、発表された AMD の Fusion APU を採用したプラットフォームとかでも AMD-V を実装しているらしいので、 無茶をしなければそこそこ動いてしまうのではないでしょうか?
# そう思うとまた用もないのに買ってしまいそうな自分が怖い… (^^;;;;;

 自宅の環境変更が完全完了したら、もうちょっと別の用途で使うことも検討して、 Inspiron Zino HD を KVM で 使い倒したいと思っています (^^)

「 AMD 、Fusion APU こと初の GPU 統合型プロセッサを発表」PC Watch より)